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クマ坊の日記

人材育成と本とサッカーが中心のブログです

人は誰もがリーダーである  

 

人は誰もがリーダーである (PHP新書)

人は誰もがリーダーである (PHP新書)

 

 ラグビーの元日本代表監督でもあり、名プレイヤーであった平尾誠二さんの著書。残念なことに昨年53歳の若さでお亡くなりになりました。私はラグビーファンではないのですが、日本代表や神戸製鋼での試合はテレビで見た記憶があります。

 

この本の内容は、組織を動かし、成果をあげるためには、自分で考え、判断し、行動できる「強い個」が求められるという視点が展開されています。この本が書かれたのは2006年。その後、2015年のラグビーのワールドカップで日本代表がW杯2度制覇の南アフリカを破るという大金星をあげました。その試合の終盤で、ベンチは引き分け狙いを指示したそうですが、プレイヤーは自分たちの判断でトライを狙いにいったという記事を見たことがあります。この本を読んで、平尾さんが蒔いた種もこの大金星に繋がったのではないかと私は感じました。

 

日本の企業の多くは今も、社員に滅私奉公を暗黙に求めます。経済が右肩あがりで終身雇用が前提の時代は、その考えも機能してきました。でもこれだけ低成長の時代で、その考えはもう無理があると思います。職場のマネジメントも今まではみんな一緒、画一的が多かったと思います。その方が管理者としては楽。部下に同じように指示していたほうがそりゃ楽ですよね。部下も会社に入ると"すごく非効率な仕事の仕方とか、なんかおかしいな”ということはたくさんあるんだけど、給料もらっているし、おかしいけどそれで仕事が回らないわけではないから、いつの間にか違和感を感じなくなります。

 

でも、そんな企業や職場はどんどん衰退していくのではないでしょうか。これからのマネジメントは個別管理の時代になると思います。より一人一人の長所が活かして組織の成果につながるような。今も優秀な管理者というのは、部下の長所をいかに組織の力につなげるかを考えている人ではないでしょうか。

 

平尾さんは自分の経験から、リーダーが個を伸ばすためのポイントを書かれています。特に私が「なるほどー」と思ったのは以下の点です。

 

「情熱家は遠く 理論家は近く」

これはリーダーと部下との立ち位置、距離感について書かれている箇所です。以下、引用です。

「監督や指導者には、組織全体を広く客観的に見渡しつつも、選手や部下に熱を感じさせることが必要である。」

「理論家は組織全体を見渡せる視野は確保しているが、その分立ち位置が遠すぎて熱が伝わらないことが多い。逆に情熱家は往々に近づきすぎて、全体を見て客観的に判断を下すことが難しくなりがちだ。その意味で、視野を広く持てるタイプの人は熱を伝えられるところまで近づいたほうがいいし、熱い情熱をほとばしらせている人は全体を見られる程度まで距離をとったほうがいいと思う。」

 

すごく共感できたし、持論をこうやって言語化できる平尾さんは凄いと思いました。ご本人も書籍で述べられていますが、自分を客観視できるのが自分の長所とのこと。スポーツ選手でも経営者でも、自分の思考や行動を客観視できる人に私はすごく惹かれます。いい本でした。