クマ坊の日記

人材育成と本とサッカーが中心のブログです

厳しいフィードバックは、精神力を使い果たします

二カ月前に、自分より10歳年上の部下に、厳しいフィードバックを行いました。

 その部下は、人間的にいい人で魅力的な人物です。10年前までは社内でもハイパフォーマーでした。ただ、そこからあまり努力しませんでした。自分の都合の悪いことは他人のせいにしていました。その結果、社内で燻っていました。他部門から泣きつかれて、私が担当する部門に異動して来ました。私もその人が輝いていた時代を知っており、プライベートでも後輩の立場で旅行に行ったりする間柄でした。異動を契機に心機一転してできればと考えていました。

 

昨年は異動初年度ということで、本人にも成果は気にしなくてよい。むしろ、仕事のプロセスに拘るようにお願いしていました。プライドが高い人なので、気分よく仕事できるようマネジメントでは配慮しました。

 

最初は心機一転、頑張っていました。しかし成果が出て来ないと、悪い癖で仕事にコミットメントしなくなりました。お客様からのクレームを頂いたり、何よりも職場のメンバーから不満がでてくるようになってしまいました。

 

さすがに、これは本人にも周囲にも悪い影響があると判断しました。そこで、評価面談の機会で厳しいフィードバックを行なうことを決意しました。決意しましたなんて勇ましいことではなく、何度も厳しいフィードバックを行なうことを逡巡しました。「後、五年で退職する人にそんなに厳しいフィードバックは必要か?」「フィードバックすることでさらにパフォーマンスが落ちないか?」「単純に嫌われるの嫌だな」とか。

 

何度も脳内シュミレーションして、心身万全な状態で面談に臨みました。

 

「今日はAさんにとって耳の痛いフィードバックをします。」と口火を切ってスタートしました。序盤は、具体的事実を積み上げながら、私が考えている不安を率直に伝えました。その際に表現で留意したのは「私には○○のように見えますが、Aさんはどうですか?」と伝えるようにしました。Aさんも最初は反論してましたが、事実を正面からつきつけられて、顔を真っ赤にしながら沈黙するようになりました。私も沈黙返し。相手が話すまで、気まずい沈黙に耐えて待ちます。

 

Aさんは耐え切れなくなり、「分かったから、もう面談は終えていいか?」と面談を終えようとします。しかし、私はこのまま帰しては駄目だと思い、「今日はAさんのために、私の時間を空けています。2時間でも3時間でも話しあいましょう。」と伝えました。そして、「私としてもAさんに厳しいフィードバックするかどうか悩みました。嫌われたくないし、しゃんしゃんで終わらせようかとも考えました。でも、それをするとAさんは社内で居場所をなくすと思います。周囲のメンバーも困っています。私はAさんが活躍していた時代も知ってるから、もっとできると信じています。期待しているのです。だから、こうやってフィードバックするのです」

 

そこから、また長い長い沈黙。その後、Aさんは激しい口調で自分にも非はあるが、周囲が悪い、私のマネジメントにも非があると話出しました。やっと本音が引き出せたと感じました。Aさんの言い分に共感しつつ、私の非はその場で謝罪しました。その上で、Aさん自身の行動をどう変えるかまでAさん自身の口から語らせて面談は終了しました。

 

面談終了後は、精根尽き果てました。年上の部下は他にもいるのですが、ここまで厳しいフィードバックしたのは初めてでした。フィードバックしたことは後悔していませんが、言葉の選び方は適当だったろうか?もっといいフィードバックは出来なかっただろうか?自問自答していました。。。

 

ただ最近、Aさんは面談で自分で語ったことを実践してくれています。周囲のメンバーの評価も改善しつつあるようです。厳しいフィードバックが何かしらAさんに影響を与えることができたかもと感じています。

 

普段、私はお客様の企業へ伺い、マネジメントとは、人材育成とはと偉そうに話をしますが、私もマネジメントでは悪戦苦闘です。マネジメントは奥が深い。もっと精進します。