クマ坊の日記

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新型鬱?の50代の女性部下を持った時の話

管理職になったばかりの頃の話。鬱病で1年間休職していた50代の女性(Dさん)を部下に持つことになった。人事部からは、2年前に別の部署の上司からパワハラを受けてDさんはメンタルを崩したと説明を受けました。

 

Dさんが私の職場に配属が正式に決まってから、他の部下から動揺の声があちこちから沸き起こりました。複数の部下から、「Dさんは似非鬱病」だと言うのです。メンタルは素人が判断するものではないし、なんで多くの部下がそんなことを言うんだろうと思いました。

 

似非鬱病の根拠は、休職期間中に海外旅行楽しんだり、職場の同僚を仕事帰りに呼んでは外食楽しんだりしているとのこと。会社を退職した同僚に自分の近況を語っていたため、露見しました。また、極めつけは10年以上社内で不倫していて、休職期間中も頻繁に目撃されていると言うのです。そんな驚愕な話を聴きながら、Dさんが復職されました。

 

メンタル不全から復職した部下を持つのは初めての経験でした。鬱病の知識を自分なりに勉強しながら、人事部の復職プランに沿って受け入れを開始しました。

 

Dさんは会ってみると、凄く元気でした。しかし、自分の苦手な仕事、例えば電話を受ける仕事とかは、「私はメンタル壊したのでできません」と伝えてきます。しかし、その一方で昔からの同僚やお客様とは社内電話で楽しそうに話しています。毎月第三金曜日になると有給を申請する。「なんかおかしい!」と私も感じました。友人が鬱で苦労していたので、同じ鬱?なのかと疑念がよぎりました。

 

そこで、人事部と掛け合って産業医とDさんの面談を設定してもらいました。メンタルについては、専門家の診断に委ねた方がいいと判断しました。診断の結果はいたって健康。仕事には支障がないとのお墨付きをもらうことができました。

Dさんは診断結果を不服とし、かかりつけ医の診断を受け「軽度の適応障害」という新たな診断書を提出してきました。なんで専門家の診断結果がこうも違うだと途方に暮れました。人事部に相談しても、腫れ物扱い。「現場でうまくやってくれ」の一言のみ。現場に丸投げという奴です。

 

途方に暮れていても拉致があかないので覚悟を決めました。人事部や上司、産業医に相談しながら復職プランを詳細に作り直しました。人事部に対しては相談というより脅しです。「現場でうまくやってくれと話ましたよね。ついては上手くやりたいので支援して欲しい」「支援頂けないなら、私を管理職から外すかDさんを異動させて欲しい」と迫りました。

 

復職プランはだんだんと仕事の強度をあげていき、一年後にはDさんもチームの戦力になってもらうことをゴールとしました。各週で決めた目標は進捗を細かく追っていきました。Dさんは私の細かいマネジメントが不満だったので、こっそりと人事に不満を伝えたりしていました。しかし、事前に関係者と握っていたので横槍が入ることはありませんでした。次にDさんは休みを頻繁に取るようになりました。有給だったのでこちらも問題なく許可していました。有給が残り3日しか残らなくなった時点でDさんには改めて伝えました。「メンタルの調子が悪い場合は、無理しなくていいので休職しなさい。完璧に治してから復帰してください」「ただし2回目の休業では、傷病手当が出ないこと。(傷病手当が出るのは最長1年6ヶ月)」「休業期間が終了すると解雇も可能である旨が社内規定で決められている」ことも伝えました。その後は、Dさんはメンタル崩すことなく、休業することもなく働いています。そしてここ2年ぐらいは、自己ベストの成果をあげるオマケつきです。

Dさんは仕事できませんが、非常にプライドが高い人だと段々と分かってきました。そこでどんな些細なことでも褒めるようにしました。それが良かったみたいです。

 

Dさんと対峙するにあたって、Dさんのことは考えていませんでした。周囲で働く部下達の気持ちを優先しました。Dさんのように、ただをこねた人か得をするような職場にはしたくありませんでした。結果としては吉と出たのでラッキーでした。

 

新型鬱(そんな正式病名はありませんが)が実際に存在するのも知っています。しかし、友人が鬱病で苦労していたので、安易に''新型鬱''と言われることに対して心理的な抵抗感もありました。何でも鬱のせいにされると、本当に鬱で苦労している人に申し訳ない、そんな気持ちでした。

 

実際のマネジメントは、グレーの連続ですね。